カチオン電着塗装工程

カチオン電着塗装の作業工程の動画になります。

ぜひご覧ください。


カチオン電着塗装とは?

カチオン電着塗装とは水溶性の電着塗料の中に被塗装物を浸漬させ、電着させる塗装方法です。電極付近では、塗料が化学反応を起こすことによって不溶性の樹脂になり、例え複雑な形のものであっても、均一で密着性の高い塗膜を作ります。

この塗膜は防錆性能にとても優れていて、840時間以上の塩水噴霧試験にも合格しています。耐防性を上げるためエポキシ系とアクリル系を混ぜた塗料で表面がコーティングされるので、耐防食性が高くなります。

カチオン電着塗装はかなり専門性の強い作業ですので、目的や工程などを分かりやすく説明していきます。

 カチオン電着塗装の目的と適用

防食仕様と重防食仕様に分けて適用と目的をお話しておきます。

 防食仕様

【適用】
硫黄系ガスの雰囲気などのある地域

  • 化学、薬品工場、温泉地
  • 工場、学校などの実験室で硫黄系薬品を使用する場所
  • 都市公害地(車の排ガスなどの影響がある所)

【目的】

  • アルミフィン腐食防止
  • 銅管のロウ付けに用いたロウ材のリンが侵されるのを防止

 重防食仕様

【適用】
硫黄系ガスの雰囲気などのある地域に酸性、アルカリ性の雰囲気のある地域

  • 下水処理場
  • メッキやエッチング工場など
  • 動物飼育場
  • 総菜、パン工場、卵の加工場など腐食性ガスが発生する所

【目的】

  • アルミフィン腐食防止
  • 銅管のロウ付けに用いたロウ材のリンが侵されるのを防止
  • 外装パネル部の防錆力の強化

 カチオン電着塗装の工程

  1. 脱脂
  2. 水洗い
  3. リン酸亜鉛処理
  4. 水洗湯洗
  5. マスキング
  6. カチオン電着
  7. 純粋洗
  8. 焼付
  9. パテペーパー
  10. 上塗
  11. 焼付
  12. 検査

となります。

 カチオン電着塗装の注意点

  1. 硫黄系ガス、酸性、アルカリ性の雰囲気に極端に触れる場所に設置をしてはいけない
  2. 生産・製造工場内へ設置する時は雰囲気ガスの種類に注意!
  3. 室内ユニットのベース内での水の滞留は、どうしても腐食を進行させてしまうため、ベース内の水抜け性能を損なわないように水平に取り付けること
  4. 傷がある時は即補修
  5. 必ず定期点検をすること
    ※その際、必要に応じて再防錆処理や部品交換などを行うこと
  6. 日除けなどは取り付けない
  7. 海の近くや化学工場への据え付け品については塩分などを除去するために定期的に水洗いを行うこと

 カチオン電着塗装の流れ

カチオン電着塗装は塗装用ハンガーという専用の機械を使って行っていきます。
最初に、対象の製品をハンガーにかけます。

準備が出来たら製品の汚れを取るために脱脂作業を行っていきます。この脱脂が甘いと、製品に汚れや油分が残っている状態で塗装が始まってしまい、完成した際のクオリティが大きく下がってしまいます。

汚れを取った後は、表面の調整を行っていきます。ここはかなり専門的な作業となっており、リン酸亜鉛皮膜という成分の結晶を緻密にして、これを使って表面の調整を行っていきます。

次は、先ほどのリン酸亜鉛皮膜を製品の表面に生成して、ここまで終わったら一度水で綺麗に洗っていきます。凄く手間のかかる工程となっていますが、実はここまでが準備段階となっています。

ここまで出来てようやくカチオン電着塗装を行っていき、UF水洗いと呼ばれる作業で製品に付いた余分な塗料を塗料ろ過液と呼ばれる特殊な液剤を使って省いていきます。

最後は、乾燥作業となっているのですが、この時は200度以上の熱を30分ほど当てていきます。これでカチオン電着塗装は終了となります。弊社では、最後の工程まで終わった後にしっかりと製品の検査を行い、塗装にムラが出ていないかなどを入念にチェックします。

社内でのチェックが終わり、製品に問題ないことを確認した後、お客様に納品をさせて頂いております。カチオン電着塗装は業者の技術によって商品のクオリティが大きく変わりますので、ぜひ、豊富な経験と知識を持つ弊社にお任せ頂ければと思います。

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